第2回 肩こりにならないために (H20.2.17)
1.肩こりって何だろう?
肩こりとは、首の後ろから肩や背中にかけての筋肉の緊張感を中心とした
不快感や違和感、鈍痛などの症状のことをいいます。
簡単に言うと、極度の筋肉疲労による痛みや張りのことで、
首・肩・背中の慢性筋肉疲労による症状が最も多いと言われています。
2.なぜ肩こりは起きるの?
一般に肩こりは、過労・運動不足・悪い姿勢の持続・寒冷(冬場に多い)・
精神的緊張(ストレス)・睡眠不足・加齢などにより発生しやすくなると言われています。
また、様々な病気(心臓病・肝臓病・風邪など)によっても肩こりは起こります。
年齢が増して首や肩の周りの筋肉がやせてきたりすると、ちょっとした仕事でも大きなストレスとなり、
短時間で筋肉疲労を引き起こして肩こりが起こります。
また、冬場になると肩こりが多くなるのは、寒さにより首や肩の周りの血管が収縮し、
血液の流れが悪くなり、筋の緊張を引き起こすためです。夏場のエアコンでも同じ現象が起こります。
精神的な緊張感が持続しても、首や肩の周りの血管が収縮し血液の流れが悪くなって肩こりが起こります。
東洋医学で、肩こりの原因を簡単に分けると次のようになります。
- 「風寒の邪」、つまり冷え
- 「七情の乱れ」、つまり精神的ストレス
- 「労倦」、つまり疲れ
これらの原因により、首や肩の周りの気(エネルギー)や
血(栄養素を含んだ血液)の流れが滞って肩こりが起こると言われています。
3.肩こりを予防するには?
上に書いた肩こりの原因を遠ざけることが一番の予防法です。
普段から適度な運動(ラジオ体操・肩こり体操・ウォーキングなど)を心がけることは、
筋肉がかたくなったり、やせていくのを防ぎます。
但し、血圧が高い人は、ウォーキングにより一時的に血圧があがりますので
主治医の先生に相談してアドバイスを受けてください。
また、日常生活の中で良い姿勢を心がけることも肩こりの予防につながります。
悪い姿勢の代表的な礼として、長時間座って仕事をするとき(例えば、あぐらを組んで読書したり、
目線の位置と違うテレビなどを見るときなど)や、下向きの作業(例えば、編み物など)をするときなどがあげられます。
他に、冬場には肩こりを訴える人が激増します。
この対策として、外出時の腹巻き・手袋・マフラーなどの着用が効果的です。
特に、脳梗塞や狭心症・脳出血などの病を抱えておられる方は、上記に加えて毛糸の帽子とマスクも必要です。(5点セット)
また、外出から帰宅後に40度くらいのお湯に手首から先を2~3分つけておくことなども有効な方法です。
加えて、特に冬場は冷たいものの飲食を避けることも大切です。
4.肩こりをなおすには?
肩こりを解消するには、まず筋肉の疲労をとることです。
それには、入浴して肩を温めたり、首や肩の周りの筋肉のストレッチ体操で
筋肉を伸ばしほぐすことなどが挙げられます。
これにより、筋肉内の血液循環が促進されて疲労が解消される方向に傾いていくわけです。
また、前にも述べたように適度な運動(ラジオ体操・肩こり体操・ウォーキングなど)は
筋肉を自発的に伸ばしたり縮めたりするので、筋肉の持つポンプ作用も促進して、
全身の血流を良くする効果も生まれます。
様々な理由で運動のできない方には、コラーゲンやビタミンEなどを含む食品の摂取がいいと言われています。
コラーゲンの働きの1つに、筋肉が骨にくっつくところ、つまり腱の栄養を高めて丈夫にする働きがあると言われています。
また、ビタミンEの働きの1つに、血液の流れを促進させる働きがあると言われています。
コラーゲンを多く含む代表的な食品は牡蠣【かき】ですが、
それ以外にフカヒレ、ウナギ、鮭、豚足、牛すじ、手羽先などにも含まれています。
ビタミンEを含む代表的な食品は、カボチャ・サツマイモ・アボガド・ニラ・ぶり・うなぎ・たらこ・アーモンド・松の実・小麦胚芽などです。
また、症状に苦しんでいらっしゃる方には、あんまマッサージ指圧や鍼灸治療なども有効ですのでお試しください。
東洋医学では、気や血の滞りを取り除くことが治療法の基本となっています。
5.まとめ
肩こりの予防対策は、身体の保温と適度な運動の継続が重要。
【肩こり体操のポイント】
- 首のストレッチ(前後左右の屈伸や回転など)・首すくめ体操・肩回し体操などをゆっくり、大きくおこないます。
- 筋肉を伸ばすときは、少し痛みを感じるところまで5秒間ゆっくり伸ばし、ゆっくりもとにもどす。これを5回繰り返します。
- 毎日少しずつでも続けることが大切です。(継続は力なり!)
【冬場の外出時のポイント】
- 腹巻き・手袋・マフラーの着用(脳梗塞や狭心症を抱えていらっしゃる方は、これに加えて毛糸の帽子とマスクも忘れずに!)。
- 外出から帰ったら、40度くらいのお湯に手首から先を2~3分つける。
【肩こり予防の食事のポイント】
- コラーゲンを含む食品(かき・ウナギ・鮭・豚足・牛すじ・手羽先など)。
- ビタミンEを含む食品(カボチャ・サツマイモ・アボガド・ニラ・ぶり・うなぎ・たらこ・アーモンド・松の実など)。
- 冷たいものの飲食を避ける(特に冬場)。