第3回 腰痛にならないために (H20.3.30)
1.腰痛って何だろう?
腰痛といっても、その性質はいろいろです。
つまり、腰を中心とした鈍い痛み、電気が走るような激しい痛み、腰を動かすと痛い、じっとしていても痛いなどさまざまです。
また痛みの場所としては、腰だけではなく、おしりや太ももの後ろや足などに痛みが広がるものまで様々です。
2.なぜ腰痛は起きるの?
腰痛が起こる原因を大きく分けると次のようになります。
①重いものを急激に持つ、転落事故で腰をひねる、スポーツのし過ぎなど。
②腰の骨の老化、腰周りの筋肉のやせ、腹筋の筋力低下など。
③内臓の病気(腎臓・膵臓・胃腸など)、婦人科の病気など。
④姿勢が悪い(立っているときや座っているときの姿勢など)。
⑤足もとを冷やす、冷たい飲食など。
⑥その他(履物の異常や肥満など)。
東洋医学では腰痛の原因を次のように大きく分けています。
①急性の腰痛 → 「寒湿の邪」又は「風湿の邪」、つまり湿り気を持った冷えや
湿った風などが原因となって起こるもので、一般に症状は激しい反面、治りやすいものが多いといわれています。
②慢性の腰痛 → 「腎虚証の腰痛」と言われており、老化現象によって起こるもので、
一般に症状はおだやかな反面、治りにくいと言われています。
これらの他に、精神的なストレス(いらいら・怒りっぽいなど)も腰痛の痛みに影響すると言われています。
3.腰痛を予防するには?
一般的に次の注意が必要です。
①日常生活の中で、腰をそらさないように注意する。立つ姿勢では、お腹を突き出さないこと。
②立ちつづけるときは、片足を何か適当な台にのせると、腰のそりは除くことができます 。
③座る姿勢では、イスの高さに注意が必要です。高過ぎると腰がそります。
逆に、低いイスは、腰の曲がりを強制して、腰の疲労を起こしますので、長時間続けることはやめましょう。
また、柔らか過ぎるソファに座ったり、あぐらをかくのも腰が疲れます。
④車の運転をするときは、座席を手前に引き、深く腰かけるように心がけましょう。
⑤寝る姿勢も大切です。腹ばいや高いまくらは腰がそった姿勢を続けることになり、
悪い姿勢で立ち、お腹を突き出した状態と同じです。
あおむけで、膝の下にまるめた毛布をはさんで膝を曲げるか、
横向きで膝を曲げてまるくなって寝ると腰のそりはとれ、腰痛を防ぐことになります。
柔らかいマットレスは、寝返りがうちにくく、また腰が沈みこみ腰のそりを強くしてしまうため、腰痛の原因になります。
⑥重いものをもち上げるときは、決して膝を伸ばして持ち上げてはいけません。
膝を曲げてしゃがみこみ、そして、膝をのばしてもち上げることで、腰への負担が軽くなります。
軽いものを拾うときも、同じ注意が必要です。
⑦足を冷やさないように心がけ、冷たい飲食をひかえるようにしましょう。
冬場の入浴後は、急激に体を冷やします。特に足は真っ先に冷えてしまいます。
すぐに寝ないときは、必ずくつしたをはくようにしましょう。少しぶ厚めのくつしたがおすすめです。
また、梅雨時になると、冷たい飲食が増えてきます。
水分の取り過ぎで、必要以上に胃を冷やさないように心がけましょう。
6月以降はエアコンが回り始めます。普段からくつしたや腹巻きの着用をおすすめします。
⑧女性は50代半ばを過ぎると、骨がもろくなる傾向があります。
この病気を骨粗鬆症「こつそしょうしょう」といいます。特に、乳製品が苦手な方は要注意です。
これを予防するためには、普段からカルシウムを含む食品を積極的にバランスよく取ることが大切です。
カルシウムを多く含む代表的な食品にはドジョウがありますが、他に、シラス干し・ワカサギ・
マイワシの丸干し・煮干し・干しエビ・牛乳・ヨーグルト・チーズ・ゴマなどがあります。
4.腰痛をなおすには?
以下の4つの体操を毎日1回実行しましょう。継続は力なり!
①「アキレス腱のストレッチ体操」
足のふくらはぎを伸ばすために、アキレス腱のストレッチ体操を毎日1回おこないましょう。
足を前後に開いて立ち、前の足の膝は曲げ、後ろの足はかかとをあげないように気をつけながら膝を伸ばします。
左右それぞれ1分間伸ばし続けてください。
②「背中から腰の筋肉にかけてのストレッチ体操」
イスに腰かけて両足を開き、その開いた両足の間に上半身を沈めます。
腰が伸びるのを感じてください。
1分間を目安に1日1回おこないましょう。
③「腹筋の筋力アップ体操」
両膝を立ててあおむきに寝ます。両手のひらを左右の太ももの上を滑らしながら膝に近づけていきます。
背中が少し上がった上体を保持します。
最初は3つ数えるだけていいですが、慣れてきたら10数えてください。これを10回を目標に少しずつ増やしていってください。
④太ももの後ろの筋肉の伸展体操
床の上に両足を伸ばして座り、片方の膝を立てて外側に倒します。
徐々に、息を吐きながら体を前に倒していきます。
このとき、伸ばしている方の太股の後ろの筋肉が伸びていることを意識します。
左右3~5回繰り返します。
⑤「下半身の筋力アップ体操」
あおむきに寝て、膝を伸ばしたまま両足を60度くらいにあげます。
この状態で、5~10数えてください。徐々に足が下がってきてもかまいません。
慣れてきたら、100を目標に少しずつ増やして数えていってください。1日1回忘れないようにおこないましょう。
以上の体操は、腰痛だけではなく、自分の行動体力を高めるためによいものばかりです。
知らない内に、若い頃の動きができるようになっていきますので、是非がんばって続けてください。
5.まとめ
腰痛を起こさないためには、普段の生活の中で、わるい習慣を正していくことが大切です。(生活習慣の見直し)
①わるい姿勢を取らないように心がけましょう。(イスの高さや、寝る姿勢、車の運転時の座り方など)
②重いものを持ち上げるときは必ず膝を曲げておこないましょう。
③足もとを冷やさないように気をつけましょう。
④精神的にいらいらしないように気をつけましょう。
⑤5つの腰痛体操を毎日おこないましょう。