第19回 新型インフルエンザにご用心 (H21.10.19)
うっとうしい秋雨の時期もようやく終わり、いよいよ秋本番!
皆さん、いかがお過ごしですか?
日本国内で大流行の新型インフルエンザ。
自分だけはかかりたくないものですね。
今回は、そんな新型インフルエンザにかからないための予防法から、
かかった時の対処法まで、皆さんと一緒に勉強していきたいと思います。
1.新型インフルエンザって何だろう?
通常のインフルエンザ(季節性インフルエンザ)は、毎年秋以降に流行しますが、
今年は豚に由来する新型インフルエンザが発生していることから、
秋以降には通常のインフルエンザと新型インフルエンザが重なって流行するものと考えられています。
現在、流行している新型インフルエンザは、感染したほとんどの方は比較的軽症のまま数日で回復しています。
しかし、持病のある方々など、感染することで重症化するリスクのある方がおられることが、ある程度わかってきています。
特に、次の持病がある方々は、手洗い・うがいの励行、人混みを避けるなどして感染しないように注意してください。
気管支喘息などの慢性呼吸器疾患、狭心症や心筋梗塞などの慢性心疾患、
糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、ステロイド内服などによる免疫機能不全など。
さらに、次に該当する方々についても、インフルエンザが重症化することがあると報告されています。
感染予防を心がけ、かかりつけの医師がいる方は、発症時の対応についても相談しておきましょう。
妊婦、乳幼児、高齢者など。
【東洋医学コーナー】
東洋医学では、新型インフルエンザなどの感染症のことを癘気(れいき)と呼んでいます。
癘気は、暑さや冷え、そして湿り気などと同じく、身体の外から体内に侵入してくる邪気の一つです。
元気が充実していれば、そんな病にかからないというのが東洋医学の考え方です。
でも、その邪気の勢いが非常に強かったり、自分の元気が低下していると病にかかってしまいます。
バランスのとれた栄養(水穀の気)をしっかり取りましょう。
そして、新鮮できれいな空気中の酸素(天空の気)を取り込むような、
つまり、朝早く起きて、さわやかな空気を胸いっぱい吸い込みながらラジオ体操をするなどして、
自分の元気を低下させないような、そんなライフスタイルを心がけましょう。
2.感染を予防するためにはどうすればいいの? ~ (感染予防7箇条)
(1) 人混みを避ける
人が多く集まる場所では、咳(せき)やくしゃみが飛び散って起こる飛沫(ひまつ)感染を広げる危険性があります。
そのため、満員電車やバスは避け、なるべく人混みには近づかないようにしましょう。
特に、高齢者や慢性疾患を持っている方、疲れや睡眠不足で免疫力が低下している方は注意が必要です。
(2) マスクを着用する
マスクをすることにより、高い確率で飛沫感染を防ぐことができます。
症状がある方は、咳やくしゃみで感染を拡大させないように、必ずマスクを着用してください。
そして外出後、マスクの表面にはウイルスが付着している可能性がありますので、
なるべくマスクの表面を触らないようにし、1日で使いすてるようにしましょう。
マスクをすてた後も、手洗いをするようにしてください。
(3) 外出後は手洗い、うがいをする
手洗いが一番重要です。100%感染は防げませんが、感染率はグッと減ります。
ウイルスが付着した場所を触った手で、鼻や口を触ってしまうと、感染(接触感染)してしまう恐れがあります。
不特定多数の人が触れた場所を触った後には、手洗いを必ずおこなってください。
手洗いは石けんを使って15秒以上じっくりとおこなうのが望ましいです。
指と指の間や手首、親指のまわり、爪の間までしっかりと洗うように心がけましょう。
また、うがいはのどの粘膜に付着したウイルスの排除だけではなく、のどを潤し、乾燥を防ぐ効果もあります。
空気が乾燥する季節だけではなく、日常的にうがいをおこなうように習慣付けましょう。
うがいのやり方で気をつけなければいけないポイントは、必ずのどの奥(咽頭)でうがいをすることです。
そうしないと、予防効果は半減してしまいます。
ガラガラだけでなく、ガラガラゴロゴロと何度か繰り返しおこないましょう。
また、うがい1回は20~30秒を目安としておこない、水ではなく、
イソジンなど殺菌成分のあるうがい薬を使うとより効果的です。
(4) 適度な湿度を保つ
ウイルスは乾燥した空気を好みますが、湿気には弱いので、加湿器などで湿度を40~60%に保ちましょう。
ただし、湿度60%以上では、カビやダニが繁殖しやすくなるので注意!
また、定期的に部屋の換気をするのも効果的です。
(5) 充分な睡眠と栄養を取る
疲れや睡眠不足で体力を落とした状態では、ウイルスに感染しやすくなります。
充分な睡眠とバランスの良い栄養を取って、体力をつけ、抵抗力を高めることで、ウイルスに感染しにくくなります。
(6) 常に最新情報をチェックする
新型インフルエンザの現在の感染状況や対処方法など、自分に必要な情報を積極的に得るようにしましょう。
テレビや新聞、インターネットなどを利用するとよいでしょう。
(7) 付着したウイルスを消毒する
新型インフルエンザウイルス感染者が咳やくしゃみをした時に、手で押さえたあとや鼻水を手でぬぐったあとに
机やドアノブ、壁などに触れると、その場所にはウイルスが付着します。
この付着したウイルスは、ある程度の感染力を持ったまま数時間生き続けます。
このような場合、消毒をおこなうことでウイルスを含む飛沫を除去することが可能です。
インフルエンザウイルスに有効な消毒薬剤は、次亜塩素酸ナトリウム、イソプロパノール、消毒用エタノールなどです。
これらを用いてタオルや雑巾でふき取り消毒をおこなう他、場合によっては該当部分に消毒剤を直接浸してください。
よく触れる箇所としては、テーブル、椅子、スイッチ、ドアノブ、階段の手すり、トイレの流水レバーなどです。
3.もしも感染したらどうすればいいの?
(1) 医療機関を受診される皆さんへのお願い(かかりつけ医などに受診される際の注意事項)
急な発熱、咳、のどの痛みなどの症状のある場合は、他の人にうつさないため、以下の点に注意をお願いします。
- かかりつけ医などに事前に電話して、受診の仕方について相談してください。
- 受診される場合には、マスクを着用するなど、医療機関の指示に従ってください。
(2) かかりつけ医のいない方、受診する医療機関がわからない方は、発熱受診紹介窓口までご相談ください。
[発熱受診紹介窓口]
平日:午前8時30分~午後6時
岐阜市保健所地域保健課
電話 058-252-7191
土・日曜日、祝日および平日の上記以外
地域救急医療情報センター
電話 058-262-3799
(3) 自宅で療養される方へ
[新型インフルエンザ健康相談窓口]
平日:午前8時30分~午後6時
岐阜市保健所地域保健課
電話 058-252-7191
(4) 新型インフルエンザの症状と予防について
新型インフルエンザへの対策は、通常のインフルエンザへの対策と共通することが多いので、
以下の事項に充分留意した生活をお願いします。
- 症状について
突然の高熱(38℃以上)、咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛などであり、
季節性インフルエンザと類似しています。
ただし、季節性インフルエンザに比べて、下痢や嘔吐を伴うこともあります。 - かからないようにするには?
出かける場合には、なるべく人混みを避けましょう。
帰宅時や食事前には手洗い、うがいをしましょう。
睡眠を充分に取り、栄養に気を配りましょう。
室内を適切な温度や湿度に保ちましょう。 - 広めないようにするには?
咳エチケットを守りましょう(咳、くしゃみが出る場合には、ティッシュ、ハンカチなどで
鼻や口を押さえ、飛沫を飛ばさないように心がける)。
咳、くしゃみなど、体調がおもわしくない場合には、極力外出は避け、
外出をする場合にはマスクをしましょう。
咳、くしゃみなど、体調がおもわしくない場合には、睡眠を充分に取り、栄養に気を配るなど、
体調の回復に努めましょう。
4.まとめ
インフルエンザに感染しないためには、普段の生活の中で生活習慣を見直し、
悪い習慣を正していくことが大切です。
- 規則正しい生活を送り、「適度な運動」や「充分な睡眠時間」を取りましょう。
- 水分の取り過ぎ(特に冷たい飲み物)、脂っこいものや甘いものの取り過ぎ、
お酒の飲み過ぎなどに気をつけましょう。 - 緑黄色野菜や果物をしっかり取りましょう。
- 身体を冷やさないように、気をつけましょう。冷え性の方は、靴下や腹巻きの着用、
そして半身浴なども効果的です。 - 精神的に、イライラしないように気をつけましょう。イライラした時は、
コップ1杯の水を飲むとスッキリしますのでお試しください。